ダブルトップ・ダブルボトム (Double Top & Bottom)
2つの山、2つの谷。最もシンプルな反転パターンが示す「2回目の試しの失敗」。ネックライン、目標値、そしてM・Wが完成する瞬間。
概要
ダブルトップ(毛抜き天井、「Mトップ」とも)は、上昇トレンドの天井で「ほぼ同じ高さの2つの山」を作って反転するパターンだ。チャート上では英字の「M」のような形に見える。
ダブルボトム(毛抜き底、「Wボトム」とも)はその逆で、下降トレンドの底で「ほぼ同じ深さの2つの谷」を作って反転する。「W」のような形だ。
三尊(ヘッドアンドショルダー)よりシンプルで、出現頻度も高い。本質は——**「同じ価格をもう一度試したが、超えられなかった」**という事実。それは、そのトレンドを推し進めてきた勢力が、ついに限界に達したことを意味する。
ダブルトップの構造
形成のプロセス(天井でのダブルトップ)
- 1つ目の山(左の山): 上昇トレンドの中で高値を付け、いったん押す(ここまではただの押し目)
- 谷(ネックライン水準): 押し目の安値。後でこれが「ネックライン」になる
- 2つ目の山(右の山): 再上昇し、1つ目の山とほぼ同じ高さに到達——しかし超えられない。ここがダウ理論で言えば「高値の更新失敗」。買い方がもう一段上に押し上げる力を失った
- ネックライン割れ: 2つ目の山からの下落が、間の谷(ネックライン)を終値ベースで明確に割り込む → ダブルトップ完成、転換確定
ネックライン
2つの山の間の谷(押し目の安値)の水準。多くの場合ほぼ水平。
**ネックラインを終値ベースで明確に割り込んで初めて、ダブルトップは「完成」する。**2つ目の山を作っている最中に「ダブルトップだ!」と先回りして売るのは、まだ確定していないパターンへの賭けだ。2つ目の山が1つ目の山を超えてしまえば、それは単なる上昇トレンドの継続(高値更新)であり、ダブルトップは「無かったこと」になる。
目標値(利益目標)の測り方
ダブルトップ完成時の下落目標は、伝統的に:
Formula
下落目標 = ネックライン割れ価格 − (山の高値 − ネックライン)
「山の高値からネックラインまでの垂直距離」を、ネックライン割れ地点から下に投影する。ダブルボトムなら、これを上方向に投影する。
例:山の高値が3100円、ネックラインが3000円なら、垂直距離は100円。ネックライン(3000円)を割ったら、目標は2900円。
これは目安に過ぎない。ネックライン割れ後、いったんネックライン付近まで戻る「リテスト(戻り)」がしばしば起こり、そこ(旧サポート=新レジスタンス)が絶好の戻り売りポイントになる。
使い方
ダブルトップ(天井)での売りエントリー
- 上昇トレンドの後、2つの山がほぼ同じ高さに並ぶ
- 2つ目の山が1つ目の山を終値で超えられなかったことを確認
- ネックライン(2つの山の間の谷)を終値ベースで明確に割り込むのを待つ
- 割り込み直後にエントリー、または「リテスト」を待ってより良い価格でエントリー
- 損切りは2つの山の高値の少し上(そこを超えたらパターン否定)
- 利確の第一目標は上記の計算値。第二目標は次の主要サポート
ダブルボトム(底)での買いエントリー
すべて上下反転する。下降トレンドの後、2つの谷がほぼ同じ深さに並び、2つ目の谷が1つ目の谷を終値で割らず、ネックライン(2つの谷の間の山)を終値ベースで上抜けたら買い。
How to Read · 使い方
OANDA:USDJPY
チャート例
注意点・限界
- 完成前は無価値: ネックライン割れまでは「Mっぽい形」に過ぎない
- ダマシが多い: 有名パターンゆえにストップ狩りの標的
- 三尊との区別が曖昧なこともある: 真ん中に小さな山があると、三尊なのかダブルトップなのか
- 目標値は目安: 必ず届くわけでも、そこで止まるわけでもない
関連指標
- 三尊・逆三尊 (Head and Shoulders) — 3つの山によるより複雑な反転パターン
- サポート&レジスタンス (Support & Resistance) — 2つの山は同じレジスタンスを2回試している
- ダウ理論 (Dow Theory) — 「高値更新の失敗」が転換のシグナル
関連指標