ローソク足パターン
初級4分で読めます2026-05-14無料

同事 (Doji)

始値と終値がほぼ等しい一本。実体を持たない十字の足は、その期間の引き分けを記録する——買い方と売り方が均衡した、市場の沈黙の証拠である。

ローソク足同事十字線ドージ迷い転換

概要

同事(どうじ)は、始値と終値がほぼ等しい一本のローソク足である。実体は線のように細く、十字に見えることから「十字線」とも呼ばれる。日本のローソク足分析において、最も古く、最も重要な単独形のひとつだ。

一日の取引が終わってみたら、寄り付きと引けがほぼ同じ値段だった——という事実だけがそこに記録される。値幅の中でどれほど激しい売買があったとしても、終わってみれば「振り出しに戻った」。同事はその一日の引き分けの記録である。

形状

How to Read · 使い方

OANDA:USDJPY

標準同事・足長同事・トンボ・トウバ・四値同事の形状の違い
実体がほぼ存在しないという共通点を持つ同事の変種。ヒゲの伸び方が市場心理を逆向きにも変える。OANDA:USDJPY をライブで見る →

実体はほぼ存在せず、上下にヒゲのみが伸びる。ヒゲの長さと位置によって、いくつかの変種に分類される。

変種特徴主な含意
標準同事(Standard Doji)上下ほぼ均等のヒゲ均衡・迷い
足長同事(Long-legged Doji)上下とも長いヒゲ大きな振れ幅の中での均衡。極度の迷い
トンボ(Dragonfly Doji)下ヒゲのみ長く、上ヒゲなし一度大きく売られたが押し戻された。底圏で強い反転シグナル
トウバ(Gravestone Doji)上ヒゲのみ長く、下ヒゲなし一度大きく買われたが叩き返された。天井圏で強い反転シグナル
四値同事(Four-Price Doji)始値・高値・安値・終値がすべて同値完全な凪。市場参加者の消失

実体の有無ではなく、ヒゲの形が物語を変える。同じ「実体なし」でも、トンボとトウバでは意味が正反対になる。

出現する場面

同事の意味は、出現する位置に完全に依存する。

  • 強いトレンドの末端で出現 → 転換の予兆。一方向に押し切ってきた相場が、初めて押し切れなくなった瞬間
  • レンジ相場の中で出現 → 単なるノイズ。迷いがすでにあるところに、もう一つ迷いを重ねただけ
  • 重要なサポート・レジスタンス付近で出現 → その水準で攻防が拮抗した記録。次の足の方向が極めて重要
  • 節目価格(キリの良い数字、過去の高安)で出現 → 市場が一度立ち止まった証拠

「同事が出たから反転」ではなく、「トレンドの末端で同事が出たから反転を疑う」のが正しい読み方である。

売買判断

同事は単独ではエントリーシグナルにならない。「次の足で確認する」のが基本的な使い方だ。

  • 上昇トレンドの天井圏で同事 → 翌日が陰線でブレイクしたら売り検討
  • 下降トレンドの底圏で同事 → 翌日が陽線でブレイクしたら買い検討
  • 損切りは同事のヒゲの外側に置く。ヒゲの先まで否定されたらパターンは無効

トンボやトウバなど、ヒゲが片側に極端に偏った同事は、それ自体が方向性を示唆するため、確認の足を待つ必要が比較的小さい。ただし、それでも一本だけで決め打ちはしない。

市場心理の読み解き

注意点・限界

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