インプライド・ボラティリティは実現ボラティリティより平均的に高い。この差(分散リスクプレミアム)をオプション売りで収穫する手法の機序・具体ルール・期待値・テールリスクを実戦的に解説する。
この手法が取りに行くのは、価格の方向ではない。 保険料である。
オプション価格に織り込まれたインプライド・ボラティリティ(IV)は、その後に実際に観測される実現ボラティリティ(RV)より、平均的に高い。 この差は 分散リスクプレミアム(Variance Risk Premium、VRP) と呼ばれ、長年にわたり多くの市場・期間で繰り返し観測されてきた構造的な歪みである。
オプションの売り手は、この歪みを 収穫 する。 買い手が払い過ぎる保険料を受け取り、相場が想定したほど揺れなければ、その差額が利益として残る。
ショート・ストラングル、カバードコール、プット売り。 これらはすべて「方向を当てる」のではなく、「市場が見積もる揺れ幅が、実際の揺れ幅より大きい」という偏りを刈り取る ための道具である。
ここで明確に線を引いておく。 ボラティリティ・トレーディング が「揺れの方向(拡大するか収縮するか)」を取りに行くのに対し、本稿の主題は プレミアムそのものの収穫 である。 前者はボラの値動きで稼ぎ、後者はボラが買い手から見て割高であること自体で稼ぐ。 似て非なるものだ。
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