高金利通貨を買い低金利通貨を売り、金利差(スワップ)を日々受け取る。為替が動かなくても積み上がるこのキャリーの機序・具体ルール・期待値・そして急騰で一瞬に飲み込まれるテールリスクを実戦的に解説する。
この手法が取りに行くのは、価格の上昇ではない。 時間そのもの である。
高金利通貨を買い、低金利通貨を売る。 すると、ポジションを持っているだけで、その金利差(スワップポイント)が日々口座に積み上がる。 為替レートが一切動かなくても、寝ている間に金利差分の利息が入ってくる。 これが キャリートレード だ。
豪ドル円(AUD/JPY)を例にとる。 豪ドルの政策金利が日本円より高ければ、豪ドルを買って円を売る側は、その差を毎日受け取る。 レートが横ばいでも、金利差だけが静かに積み上がっていく。
この発想は為替に限らない。 先物では、期近と期先の価格差を限月乗り換え(ロール)で取りに行く ロールイールド。 債券では、利回り曲線を時間とともに転がり降りる ロールダウン。 コモディティでは、バックワーデーション市場で期近を買い続けて得る収益。 これらはすべて「保有しているだけで時間とともに入ってくる収益」= キャリー という同じ家族に属する。
ここで線を引いておく。 時系列モメンタム や クロスセクション・モメンタム が「価格の方向」を取りに行くのに対し、キャリーは 価格が動かないことに賭ける 戦略だ。 動かなければ金利差が丸ごと残る。 動いてくれなくていい。 ただ、暴れないでほしい。 それがこの手法の祈りである。
How to Read · 使い方
OANDA:AUDJPY