決算でポジティブ・サプライズを出した銘柄は、その後数週間から数か月、上方へ漂流する。市場が新情報を一度に織り込まない過小反応の代表例。サプライズの測り方、エントリーの数値ルール、混雑による減衰までを実戦目線で掘り下げる。
決算後ドリフト(PEAD : Post-Earnings-Announcement Drift)は、決算そのものを当てに行く手法ではない。
決算でコンセンサスを上回ったポジティブ・サプライズを出した銘柄は、発表後の数週間から数か月にわたって上方へ漂流(ドリフト)し、コンセンサスを下回ったネガティブ・サプライズは下方へ漂流する。 この持続を取りに行く。
ここで賭けているのは「次の決算が良いか悪いか」ではない。
すでに公表された決算サプライズの方向に、価格が 発表後もしばらく動き続ける という性質だ。
良い数字が出た瞬間に株価が跳ねるのは当然だ。
PEADが取りに行くのは、その瞬間の跳ねではなく、跳ねた後もジリジリと同じ方向へ伸び続ける残り火 のほうである。
市場が新情報を一発で完全には織り込まない。だからサプライズの後に、織り込み残しの調整がゆっくり続く。
How to Read · 使い方
NASDAQ:AAPL
この現象を最初に体系立てて示したのは、Bernard と Thomas の 1989 年・1990 年の研究だ。
決算サプライズの大きさで銘柄を順位付けすると、サプライズの強い群と弱い群のリターン差が、発表後しばらく一方向に開き続ける ことが繰り返し観測された。
効率的市場仮説の素朴な解釈では、新情報は瞬時に価格へ織り込まれるはずだ。
だがPEADは、その織り込みが瞬時ではなく 数週間から数か月かけて段階的に進む ことを示す、過小反応(underreaction)の最も有名な実証例になっている。