通説「利食い千人力」を再考する。早すぎる利確は損小利小を生み、期待値の源泉である数少ない大きな勝ちトレードを取り逃がす。利を伸ばす規律、トレーリング、部分利確の設計を技術的に解剖する。
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相場の格言として、こう語られることが多い。
利食い千人力。含み益は、確定して初めて自分のものになる。
これは半分正しい。「確定していない利益は、まだ自分のものではない」という戒めとしては、まったく妥当だ。含み益を「もう自分のお金」と錯覚して欲張り、結局すべて吐き出すのは、退場の典型的な経路の一つだ。
ただし、この格言は どの程度で利確するか には何も触れていない。「確定せよ」とは言うが、「いくらで確定せよ」とは言わない。
そして、ほとんどの人がこの格言を、無意識のうちに「できるだけ早く確定せよ」と読み替えてしまう。
含み益は気持ちがいい。その気持ちよさを早く確定させたいという欲求は、相場の論理ではなく、人間の脳の報酬系の都合だ。
正確には、こう書き直すべきだ。
含み益を「もう自分のもの」と錯覚して欲張るのは危険だ。だが、勝ちトレードを利益の源泉が枯れる前に切るのも、同じくらい収支を蝕む。問題は「確定するか否か」ではなく、「利益を伸ばす条件と、利益を切る条件を、事前に分けて設計できているか」だ。
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