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移動平均エンベロープ (Moving Average Envelope)
移動平均線の上下に、固定パーセンテージの帯を被せる。ボリンジャーバンドより古く、ケルトナーよりも素朴な——「中心からの一定の距離」を、ボラティリティに合わせて伸縮させずに保ち続ける、もっとも単純な「チャネル」のかたち。
移動平均エンベロープエンベロープチャネル移動平均オーバーボートオーバーソールド
概要
移動平均エンベロープは、ボリンジャーバンドやケルトナーチャネルが普及する以前から使われていた、もっとも古い「チャネル系」指標のひとつである。設計は徹底して単純だ——移動平均線の上下に、固定したパーセンテージ だけ離れた線を平行に引く。それだけである。
中心線は通常、SMA(20) や SMA(25) を用いる。上下のバンドは、中心線をそれぞれ「1 + k 倍」「1 − k 倍」した位置に描く。k は固定の定数で、株式なら二〜三パーセント、為替であればさらに小さな値——〇・五パーセント前後——が選ばれる。
形だけ見ればボリンジャーバンドに似ているが、決定的な違いがひとつある。バンドの幅が、ボラティリティに応じて伸縮しない。 ボリンジャーは標準偏差で帯を作るため、相場が荒れれば帯が広がり、静まれば狭まる。ケルトナーも ATR で同様の伸縮をする。ところがエンベロープは、中心線から常に同じパーセント分しか離れない。ボラティリティが二倍になっても、帯の幅は変わらないままである。
この「非適応性」は弱点であると同時に、ひとつの規律でもある——後の章で改めて触れる。