中級6分で読めます2026-05-14この記事は会員限定です
ドンチャンチャネル (Donchian Channels)
過去N本の最高値と最安値を、ただそのまま描く。スムージングも統計もない、最も素朴で最も古いトレンドフォローの帯——タートルズが用いた指標。
ドンチャンチャネルブレイクアウトタートルズ高値安値トレンドフォロー
概要
ドンチャンチャネルは、1950年代に商品先物トレーダーであったリチャード・ドンチャンが提唱した、テクニカル指標の原型のひとつである。やっていることは極端に単純である——過去N本のローソク足の最高値と最安値を、そのまま線で結ぶ。それだけだ。
中央線として、上下のチャネルの中点(高値と安値の平均)を引くこともある。だがスムージングは一切ない。標準偏差もない。ATRもない。価格そのものの「過去N本における極値」を、何も加工せずに表示するだけの指標である。
ドンチャンの素朴さは弱点ではなく、むしろ強さである。1980年代、リチャード・デニスとビル・エックハートが「タートルズ」と呼ばれる素人トレーダー集団を訓練し、莫大な利益を上げたとき、彼らが用いた中核ルールが 「20日高値の上抜けで買い、20日安値の下抜けで売る」 ——すなわちドンチャンチャネル20のブレイクアウトであった。「単純な仕掛けでも、規律を持って執行すればトレンドフォローは機能する」という命題の、歴史的な実証である。