価格をフィッシャー変換で正規分布に近づけ、転換点を鋭く際立たせるオシレーター。なだらかな価格を、極値が鋭く尖る信号へと作り変える。
フィッシャー・トランスフォーム(Fisher Transform)は、信号処理の技術者でもあるジョン・エーラースが考案したオシレーターである。
発想の出発点は一つの観察にある。多くのテクニカル指標は、その値が正規分布(ベルカーブ)に従うことを暗黙に前提にしている。しかし価格データそのものは正規分布しない。
価格は中央付近にだらだらと滞留し、両端の極端な値はめったに現れない。山がなだらかで、裾が短い分布だ。そのままでは「いまが本当に極端なのか」を見分けにくい。
そこでエーラースは、統計学のフィッシャー変換(Fisher z-transformation)を持ち込んだ。価格をいったん −1〜+1 の範囲に正規化し、そこにフィッシャー変換をかけることで、分布を引き伸ばして正規分布に近づける。
結果として、ふだんの値動きはゼロ付近に押し込められ、相場の転換点だけが鋭いスパイクとして突き出す。なだらかな丘陵だった波形が、針のように尖った山と谷に作り変えられる。これがフィッシャー・トランスフォームの正体だ。
How to Read · 使い方
OANDA:USDJPY