米国株指数の長期リターンは、その大半が夜間(クローズ→翌オープン)に発生し、日中はほぼ平坦という実証アノマリー。なぜこの偏りが生じるのか、流動性プレミアムと需給構造から機序を解き、具体ルール・期待値・限界まで実戦的に解説する。
一日を二つに割ってみる。
ひとつは 夜間。前日のクローズから翌日のオープンまで、市場が閉じているあいだに持ち越したリターン。 もうひとつは 日中。寄り付きから引けまで、市場が開いているあいだに動いたリターン。
この二つを長期にわたって別々に積み上げると、奇妙なことが起きる。 米国の主要株指数では、長期リターンのほとんどが「夜間」に蓄積され、日中の積み上げはほぼ平坦 になる。
直感に反する。 我々が画面に張り付き、売買を繰り返すのは日中だ。 ところが、長い目で見ると、利益のほとんどは「何もしていない夜のあいだ」に乗っている。
この偏りを取りに行くのが本稿の主題、オーバーナイト・エッジ だ。 発想は単純で、引けで買い、翌日の寄りで売る。 夜間だけを保有し、日中は現金で待つ。
なぜそんなことで期待値が出るのか。 源泉は二つに集約される。 流動性が薄い時間帯にリスクを抱えることへの対価(リスクプレミアム)と、指数先物・ETFを巡る需給構造 である。
これは「方向を当てる」手法ではない。 投資手法の体系 でいうところの、構造的アノマリーを刈り取る型に属する。 チャートの形でも、指標のクロスでもない。 一日のなかで利益が偏って発生する 時間構造そのもの を収穫しようとする試みだ。
How to Read · 使い方
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